社労士試験には、択一式試験と選択式試験の2つがあります。
ある程度基礎知識が定着していれば、択一式試験の合格基準点をクリアすることはそれほど難しいことではありません。
特に直前期、合格するために本当に対策が必要なのは、選択式試験です。
過去問をひたすら反復しただけで試験に挑むと、選択式試験であと一点あれば・・・と涙をのむ結果になる可能性が高いです。
この記事では、実際に社労士試験で基準点割れに泣くことなく、一発合格できた私の選択式対策について解説します。
「選択式対策って何をすれば良いの?」
「選択式の基準点割れが怖い・・・」
「択一式では合格点がとれるのに、いつも選択式では基準点割れをしてしまう」
などと悩んでいる人
社労士試験の概要と選択式試験の位置づけ
社労士試験が難関資格に位置づけられている理由は、合格基準点が各科目に設定されていて、全ての科目でその点数をクリアしなければならないからです。
ただし、私が勉強してみて感じたことは、択一式試験で合格基準点をとることはそれほど難しいことではなく、選択式試験で基準点割れにさえならなければ、合格できる試験であるということです。
試験の形式は
選択式:問題文の5つの空欄にあてはまる選択肢を選ぶ、穴埋め問題
択一式:5つの選択肢の中から正誤を判断し一つを選ぶ、五肢一問題
試験時間は
選択式:80分
択一式:210分
そして、試験科目は
選択式:8科目(労働基準法/労働安全衛生法、労働者災害補償保険法、雇用保険法、労働一般常識、健康保険法、厚生年金保険法、国民年金法、社会保険一般常識)
択一式:7科目(労働基準法/労働安全衛生法、労働者災害補償保険法/労働保険徴収法、雇用保険法/労働保険徴収法、労働一般常識/社会保険一般常識、健康保険法、厚生年金保険法、国民年金法)
さらに社労士試験の合格基準は、試験の難易度や受験生の出来によって毎年変動します。
ちなみに令和5年度の合格基準・配点は下記の通りでした。
引用:厚生労働省
つまりは、
選択式:総得点26点以上かつ各科目3点以上
択一式:総得点45点以上かつ各科目4点以上
おおよそこの2つをクリアできれば合格できる、といえる試験です。
配点や試験時間を見ても、択一式がこの試験の肝と考える人は多いと思います。
しかし、繰り返しますがこの試験の本当の恐ろしさは、選択式試験の基準点割れです。
もちろん、択一式試験が重要ではないという意味ではありません。
基本的には、過去問を反復することでまず択一式試験で合格基準点をとれるレベルにもっていくことが重要です。
選択式試験に挑むための2つのマインドセット
自慢ではありませんが、私の選択式の点数は多くが4点でした。
これは、3点を死守するための試験対策をしてきた結果です。
選択式対策をするにあたり、精神面で私が意識していたポイントは2つです。
- 各科目3点を死守すること!合計で高得点や各科目5点満点をとる必要はなし!
- 初見の問題が出ても焦らない!難問・奇問はほぼ確実に出題されると考えておく!
【各科目3点を死守すること!】
選択式の試験時間は80分なので、1科目10分で回答するような配分です。
しかし、読解力が必要となる問題も多いので、のんびりしている余裕はないと考えてください。
選択式試験では、多くの受験生が解けるような簡単な問題と、受験生の多くがわからない難しい問題が混在しています。パッと見て答えられるものも必ずありますので、簡単なものからどんどん埋めていきましょう。
そして実際の試験では、3点がとれるか微妙な科目に全集中しましょう!
回答に自信のあるものが3つない科目は要注意です。しっかり時間を使って読み解きましょう。
自信のある問題が3つない・・・この科目に時間をつかわないと!
したがって、4点確保に自信のある科目は優先順位を下げるべきです。5点とるためのあと一点のために時間を使わないこと!
【初見の問題が出ても焦らない!】
過去問で一度も見たことのない論点がほぼ確実に出題されると考えておきましょう。
ただし、初見の問題に息をのむのは他の受験生も同じです。
初見の問題にぶちあたると、頭が真っ白になってしまう人もいるかもしれません。
あんなに勉強したのに、こんな論点はどの参考書にものっていなかったよ・・・!もうダメだ・・・
しかし、多くの受験生が間違える問題を解けなくても合格することは十分可能です。
それよりも、
はい難問きたー!あと回し!
これは難しい!解ければラッキー♪
このくらいの気持ちで身構えていて大丈夫です!
まずは3点確保することを意識しましょう!
一発合格できた私の選択式勉強法とおすすめの参考書
まず、過去問の反復だけでは補えない選択式試験のために必要な対策は4つあります。
- 目的条文等の条文対策
- 判例対策
- 白書・統計対策
- 一般常識対策
これらについて私が実践した勉強法をご紹介します。
ちなみに、私が選択式対策を始めたのは6月に入ってからでした。
6月中旬に予備校の模擬試験を受けてから、選択式問題の対策が全然できていないことに気がついたからです。
判定こそBだったものの、選択式で2点しか取れなかった科目があったため本番であれば不合格。
これがこの試験の恐ろしさか・・・と身震いしたのを覚えています。
【目的条文・その他条文の対策 その1】
私が最も活用したのは、参考書として評価も高く人気のあるツボシリーズです。
コンパクトなサイズ感で持ち運びやすく、外で勉強するときも気軽に持ち出せて選択式対策ができたので本当に重宝しました。
勉強法としては、6月初旬から取り組み始めて1周目で間違えた箇所だけ2週、3周と繰り返しました。
条文から頻出判例まで、網羅的に全ての科目の対策ができるところも非常にポイントが高いです。
ただし解説もコンパクトなので、わからない点は自分で他の参考書をしっかり確認するようにしました。
毎年人気な理由も納得できる参考書です。
【目的条文・その他条文の対策 その2】
YouTubeも活用しました。動画は学習ツールとしても非常に有効です。
私は「聞き流し社労士試験」という動画を、ウォーキングや料理中などに聞いていました。
こちらは、耳だけは使えるスキマ時間の勉強に最適だと思います。
繰り返し聞いていると、リズムで覚えられます。
勉強を進めていくうちに、あ、このフレーズは知ってる、という条文が増えていきますよ。
【判例対策】
これは主にまとめサイトを利用しました。
私が活用したのは、あの有名な資格の大原の【金沢先生】がまとめているサイトです。
どの判例が重要なのか一目でわかりますし、選択式対策としてキーワードを押さえるには最適でした。
また、LECの予想問題集「当たる!」も活用しました。
こちらに載っていた主要判例についても、黒字の箇所は頭に入れるようにしました。
特に繰り返し出題されている重要判例は、ざっくりといいので内容も理解できるまで読み込みました。
判例は択一式試験にも当然出題される可能性はありますし、その場合は結論も重要だからです。
私のような法律初学者にとって、判例の勉強はなかなかハードルが高いものですが、社労士試験ではざっくりと概要を把握しておくだけでも十分戦えるかなとも思いました。
そして判例対策は、「全く知らない」問題を一つでもつぶすための勉強であることを意識しましょう。
あ!この言い回し、見たことある!
【白書・統計対策】
最新の「厚生労働白書の重要箇所まとめ動画」を見ました。大容量の白書がポイントを押さえてまとめられています。
これらの動画はわかりやすくまとめてくれています。
細かな数字ではなく「介護保険料率は年々増加している」などおおまかな事象の把握に使えました。
そのほかにも、厚生労働省が発表している動画にも目を通しておくといいかなと思います。
私は主にご飯を食べているときや半身浴中などに見ていました。
問題を解くことに疲れてきたら、見るだけの学習を取り入れてみるのもおすすめです。
【一般常識対策】
対策の難しい一般常識問題ですが、こちらの問題集はなかなか面白かったです。
最近は、厚生労働省のHPやパンフレットなどから問題が出題されることもあります。
よって上記の動画と併せてパンフレットやリーフレットにも目を通しておくと手堅いです。
選択式対策本で、穴埋め問題形式になっており取り組みやすかったです。
フォーサイトの直前対策講座を活用しよう!
私が実践した選択式のための勉強法をご紹介してきましたが、一番効果的だったのはフォーサイトの直前対策講座のテキストを使った学習でした。
フォーサイトの直前対策講座についてくる選択式対策問題集・法改正事項問題集・白書統計対策は直前期に3周回しました。(二神講師が3周やりましょう!とおっしゃっていたので。)
直前対策講座を使うことは最後まで悩んだのですが、結果追加で申込みをして大正解だったと思います。
やはり白書や統計は自分で情報を収集して整理するだけで莫大な時間がかかりますが、頻出箇所や重要論点だけをまとめてくれている教材を使うことで、非常に効率よく勉強することができます。
結局のところ、各種予備校・通信講座の教材を利用することは、合格への一番の近道だと実感しました。
受講を悩んでいる方は、是非参考にしてください!
まとめ
選択式対策で一番重要なことは、とにかくたくさんの問題に触れることだと思います。
実際に2回ほど模擬試験も受けましたし、各出版社が出している予想問題集もいくつか解きました。
試験本番では、過去に出題されたことのない論点が出る確率が高いです。
よって多くの既出でない論点に触れておくことで、初見の問題を1問でも減らすぞ!という意識で勉強しましょう。
この記事が、皆さんの選択式対策の役に立てると幸いです。
コメント